研究テーマ:儚さのデザイン
予測不能・美
HITOYUMEは儚さをテーマに染料を入れた氷で生地を染めます
いつの間にか溶けて消えてしまう氷
確かに残る跡
人生は予測できないものだから
Unpredictable Beauty
We at HITOYUME, Dye Fabrics with Colored Ice.
Ice, which melts in an instant
Its mark, which is left clearly
Because Life is Everchanging.
儚いという美感覚の歴史は、もののあはれや諸行無常など、平安時代まで遡ることができる。近年、SNSなどの発達により情報が溢れ、見た目重視になっている社会に、この儚さを通してアプローチした。
氷と一言で言っても、氷の形状、放置時間、布の素材や状態など、少しの変化で表情は異なる。予測できない、繊細さがある。
作品例1「鶸と鶯のシャツ」
アルファベットの形に凍らせた氷を並べ、形がついたら外す
作品例2「鴇と鶸のワンピース」
円形の氷を輪郭がついたら外す
作品例3「蒸栗のランチバッグ」
刺繍をして、その上に氷を乗せると、刺繍部分に濃く色が残る
作品例4「藍鼠のキャップ」
かき氷状の氷を散らし、溶けきるまで待つ
作品例5「お茶タイムスニーカー」
スニーカーを濡らし、5色の角氷を乗せ、溶けきるまで待つ
作品例6「かぐや姫」
長方形の氷を並べ、溶けきるまで待つ
7mの生地を染め、浴衣に縫製
作品集として、また、氷染めに興味を持ってもらうため、LOOKBOOKを作成
氷染めの楽しさを伝えたいと考え、気軽に取り組める体験キットを製作
<セット内容>
説明書(使い方と参考例)
染料液5色
氷型4個
お試し用ハンカチ(刺繍入り)
使い捨てスポイト
日本の伝統色を使ってシリーズ化
主なターゲットである女性を意識して色を選んだ
儚さを意識し、パッケージには中身がうっすら見えるトレーシングペーパーを採用し、切取線を入れることで、一度開けたら元に戻らない仕様に
染色液のガラスボトルも、白インクで色名を示し、使うほどに見えにくくなる儚さを表現
はっきりとした印象があり、海外の人から人気の漢字を使用したロゴと、しなやかな曲線のひらがなを使用したロゴ
自分の感じた楽しさが染み渡りますように、と製作しました