かつて沖縄では旧暦の五月四日をユッカヌヒーと呼びこの日は玩具市が開かれ一年に一度、子供たちが玩具をおねだりできる日であった。そこに売られていたのは張り子などの伝統玩具が並んでいた。しかし、明治の終わりごろからブリキやセルロイド製の玩具が登場するようになると、玩具市で郷土玩具の姿を見せる事は少なくなり、ユッカヌヒーの玩具市は廃れていった。琉球張り子の伝統が継承されるために現代風の琉球張り子を製作した。
「現代の生活・地域性を表したもの」「沖縄の伝統」「古典琉球張り子をモチーフにしたもの」の3つのテーマをあげ多くの人に知ってもらうためにお土産用として製作した。
現代の生活・地域性を表した張り子は「頭乗せのせのせおばー」「ロゴTシャツ張り子」「噛みつきシーサー」「ジュゴン」の四つ。頭のせのせおばーは現代の沖縄で馴染みの食などをおばーが頭に乗せて運ぶ張り子である。私が幼少期の頃、市場近くでおばーが食材を入れたカゴを頭に乗せて運ぶ姿からつくった張り子である。頭に乗せているのは「のまんじゅう」「沖縄そば」「泡盛」「タコライス」「スパム缶」。
ロゴTシャツ張り子は沖縄で馴染みのロゴが入ったTシャツを着た張り子。「A&W」「オリオンビール」「ブルーシール」「海人」「海人(うみんちゅ)」「国道58号線」Tシャツを着た張り子。
噛みつきシーサーは沖縄で馴染みの食に噛み付くシーサーである。「ちんすこう」「ゴーヤー」「サーターアンダギー」「豚のチラガー」「パイナップル」がある。
ジュゴンは沖縄の名護市の東海岸に回遊しているのが見かけられており絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
沖縄の伝統の張り子は「琉球王国」の王と王妃と「ムームーガール」の二つのシリーズ。
ムームーガールは沖縄の織物の模様がかかれたムームーを着ている。「知花織り」「伊波メンサー織り」「ミンサー織り」「浦添織り」「琉球絣」の文様がはいっている。
古典琉球張り子をモチーフにした張り子は二つ。「熱帯魚乗り童子」はブダイに女の子がまたがった張り子。
「ウッチリクブサー」は起き上がり小法師の張り子。
パッケージはそれぞれ違う柄になっている。
「てだこハリコ」は浦添市でつくられている張り子。「てだこ」は浦添がかつて琉球王国の首都であった時の王「英祖王」の父が太陽であったという伝説があり、それにちなんで沖縄の方言で太陽を意味する「てぃだ」とその太陽の子供を意味する「こ」を合わせ「てだこ」と呼び浦添市は別名「てだこの街」と呼ばれている。
沖縄の風景にてだこハリコを合わせた写真。その写真を集めたブックレットも作成した。
写真はハリコに関係するお店や場所を訪ねて撮影した。
沖縄の伝統の織物の模様がはいったムームーをきた 「ムームーガール」、カラフルな色は沖縄の風景にうまく溶け込んでいる。
「頭のせのせおばー」のハリコ。昔の沖縄の女性は頭にかごを乗せて荷物を運搬していた
「ジュゴン」のハリコは。名護市大浦湾には絶滅危惧 IA 類に選定されているジュゴン。