• UXは個人の利益を重視し、モノのデザインの中で利用者に寄り添い導き、利用者が求めるものに適格に応えている。
    一方で、行動を促すために利用されるモノのデザインには、社会全体の利益のために意図的に誘導し、そのためのキッカケとなる。
    この「人の行動の中にキッカケを仕込み、人の行動パターンを意図的に変えること」に注視していることが、UXと明らかに違うところ。
    共通点は、人が目的を知らない場合でも行動は促されていること。

  • モノのデザインは人の一連の行動の間に設置します。そのデザインが、見る人に刺激を与え場面に違和感を作ります。
    視覚によって人の心情を動かし、別の視点に気づかせます。そして、行動目的達成まで行動意識を繋げていく役割があります。
    人の行動を促すには、行動心理を探りながらデザインを提案します。それを、モノのデザインに忍ばせることで人に行動目的を伝えます。

  • 使用済み紙パックの回収率を上げるために、人が面倒と感じている作業に対する心理的負担を視覚効果を用いたデザインによって軽減したいと考えます。それがモノのデザインの提案です。
    だから、モノのデザインには場面と心理を探りながら提案しています。

  • ① 使用後がゴミと資源の分岐点になります。
    ② そこにリサイクルに導く視覚効果の仕掛を設置します。
    ③ それが目的達成まで行動を繋げていければ問題が解決です。

  • 「開く」を促すためのパッケージデザイン
    何か面白そうだと好奇心を持たせて、紙パックで遊ぶことを促している。
    遊びを通して切り開く経験をすることが目的。

  • 「開く」を促すためのパッケージデザイン
    箱を作るときに、開く作業をしている。
    使用済み紙パックの再利用価値を知ることで、家に保管する目的ができる。

  • 「開く」を促すためのパッケージデザイン
    「いつかやろう」と思っている人へ 行動を始めるキッカケを与える。

  • 使用後すぐに捨てずに「まずは家で保管する」ための行動を促す提案。
    開く作業が面倒ならば、開く作業は後回し。まずは、「洗って 乾かす」行動をしたくなる場所をつくる。
    集めてから開く人へ 使用済み紙パックの保管箱。

  • 開いた紙パックを保管場所として使用後、そのまま回収場所まで運べるバック
    既に活動をしている人の作業をラクに楽しくすることと、その行動を人に見せることがデザインの目的。
    それが、新しく行動を始める人を誘う。

  • 「リサイクルありがとう」をどこで伝えると効果があるのか?
    紙パックと同じ絵を、場面を変えて再生品のトイレットペーパーの包装紙にデザインする。
    絵は人がモノを手に取るキッカケとなり、そのモノに再生品を知る情報を与え、人は資源の循環を実感できる。
    リサイクルを自分の問題として考えることで、自発的な行動を促すキッカケとなる。

行動を促すデザイン研究
岡野 雅子