• この作品は、モノづくりに取り組む皆さんのために提案します。

  • この施設は、モノづくりを通して人が出会い、共に活動することで成長する、コミュニティアトリエです。
    ものづくりをしたいと思う人が、誰でもすぐにできるわけではありません。
    時間や場所がなかったり、資金が足りなくて始められない人が多いのではないでしょうか。
    そこで、ものづくりの環境が得にくいクリエイターや地域の人にものづくりができる場所と仕組みを用意しようと考えました。
    施設の名前は「キャッチ」です。

  • キャッチでは、主にくらしにまつわるモノを作ります。なぜ暮らしにまつわるものかといえば、計画地の御所南エリアが、「暮らしにまつわる伝統工芸品と職人の町」だからです。例えば、家具、陶器、ガラスのもの、服、建築・インテリア、明かり、テキスタイルなど、新しく作るだけでなく、古いモノを新しく作り直すことも考えます。
    キャッチでは、来館者同士とクリエイターが組んでものづくりをしたり、地域の職人さんから家具や建具の知識を学び、リメイクに挑戦したりする活動など、アイデアを出し合ってプログラムを進めます。

  • 計画地は家具にゆかりのある京都御所南エリアです。
旧市街地で、敷地が広く、ゆったりとした場所に面しています。
    敷地は、家具の街夷川通に面するブロックに位置します。
    御所南エリアは「指物」を中心として、家具や建具を扱う「伝統工芸と職人の町」です。
    京都市の中心部の賑わいに近く、ものづくりに関連する店舗や工房が多くみられます。
    家具店や工芸品店が多く、古い建具や家具を再生して売る店もあり、この町のあちらこちらに手仕事の良さが残っています。

  • 計画地の向かい側には運動場と公園があります。公園や運動場を訪れた人からは、キャッチがよく見えます。
    公園の向こうの小路からは、路地のような遊歩道で通り抜けできます。
    その立地を生かして、キャッチと公園や運動場をつないで、イベントを開催し、人が集まる場を作ります。
    子供や主婦がよく利用する場でもあることから、子供にも関心を持ってもらえるものづくりのイベントを企画します。
    子供から親や家族へものづくりの楽しさが伝わるような取り組みが可能な場所です。

  • 建物の中は、機能により大きく分けると、3つの領域に分かれます。リラックスゾーン、ラーニングゾーン、クリエイションゾーンです。また、人が集まると、いろいろな場所で、交流が生まれます。この企画で大切にしている「出会い」や「対話」が、赤枠で囲まれた場所で展開されます。間仕切りを最小限にし、ガラス入りの建具で仕切ることで、気配が感じられる空間の連続性を持たせています。
    フリーラボには、大テーブルを置いて、制作工具や3Dプリンター、レーザーカッターなど小型の機械を置き、予約をとって使用します。

  • ショップ・ギャラリー・カフェを一つの大きな空間とし、人と人が交わりやすいようにしています。
    2、3階のリラックスゾーンは、1階のカフェ(広場)から吹き抜けで繋がれていて、他の空間の様子が感じられます。
    また、トップライトからの採光で、明るい空間となっています。

  • クリエイターや地域の人、来館者が自由に活用できるカフェは、公園や運動場に来た親子や、自宅や会社以外で仕事をする人、学校帰りの学生などが気軽に立ち寄れるようなオープンな空間です。前庭や中庭では、展示販売や制作に関したイベントを行います。
    また、クリエイターや施設利用者が制作の合間にくつろぐリビングや、長時間作業をする人たちが共同で食事をとるキッチンもあります。

  • カフェ奥の広場では講習会などを行います。共同工房では、実際に制作体験をします。
    ショップにはクリエイターの作品を置き、ギャラリーには、プログラムで制作した作品も展示します。
    また、ギャラリーは地域のクリエイターにも開放します。

  • 個別のアトリエでは制作に没頭し、フリーラボはグループでの制作や、大きい作品の製作に使用します。
    長期の専用利用をはじめ、短期の利用や時間利用など柔軟な利用方法を用意します。

  • ファサードは、旧市街の街並みの景観を守るデザインとし、隣地側は景観に配慮しつつも、採光が十分取れるように開口部を配置し、木材とガラスの組み合わせでリズムのある外観としました。街並みに溶け込むと同時に、公園側からはキャッチの姿が、ひと目で認識できます。各プログラムにより、クリエイターと来館者が出会い、共感を得て、ものづくりを進めることで関係性が築かれます。
    人々が集い、人と人が出会い、クリエイターが育ち、ものづくりに喜びを見出す人が増えて、地域が元気になります。
    そして、"CATCH"が、ものづくりをするクリエイターの育つ場所として社会に認知されるようになることを目指します。

出会いのアトリエ
平野 健一